ご挨拶

みなさんは、「産後ケア」という言葉はご存知ですか? 
本来、「産後ケア」とは出産により心身に大きな影響をうけた女性の、健康の回復と維持のために、心身をいたわる大切なケアを指します。

この「みんなの産後ケア」では、ママの皆さんにとって、より具体的に・役立つ形で、心や体の状態を知り、どんなケアがあり、どうしたらそのケアを受けられるのかといった選択肢や、家族や自治体、周囲へどのように頼ったらいいか、公共や民間のサービスの検索機能や、専門家の声を交えた記事などで、お伝えしていければと考えています。

また、「みんなの産後ケア」では、「産後」の難局はママだけが抱えるものではなく、パパやママと赤ちゃんを取り巻く周囲の方にも様々な形で訪れるものだと考えています。そのため、パパや周囲が「産後ケア」について知ることで、産後を乗り越える同士となったり、パパ自身の産後をケアするきっかけにもできればと考えています。

■みんなの産後ケアを立ち上げた思い

私は小さな会社を営んでおり、なかなか代わりのいない状態で仕事にひた走りながら、妊活の末に高齢出産の奇跡にめぐまれ無事に産むことだけを考えて十月十日(とつきとおか)を過ごしました。

妊活の時は、着床するまでに必死で、その後の妊娠期間中は無事に生まれてくれればと切実に願っていました。でも同時に、ただでさえ自分も高齢なうえに、産後の諸々の体調・精神の不良、母乳の出など全ての初めての乳児の子育てを睡眠不足の満身創痍で果たしてできるのか、仕事もすぐに復帰せねばならず、実母も義実家も高齢で遠方住まいのため、産んだ後はどんな生活になるんだろうという漠然とした不安もありました。

そんな時に、色々と調べて出会ったのが民間の産後ケア施設の情報でした。まだ施設稼働前ではありましたが、藁をもすがる思いでそこに申し込みをして、産後の不安を抑えながらも、そこからは無事に生まれてくれるためのことに集中することが出来ました。

さらに、無事に出産したものの、鉗子分娩により体に大きな不調を抱えたなかで、か弱く守らなければいけない存在が目の前にいて、夫婦ともに産後の怒涛の日々を過ごすなかで、私自身が自分をケアすることが、赤ちゃんや家族を守ることになると信じて、必死に情報を集めました。また、女性のようにホルモンの助けもないなかで、必死に夜間授乳や産後の私の体を労わりながら疲弊していく夫をみて、何とかしてあげたいと強く思った経験が、ママのためだけではない、このサイト立ち上げに繋がっています。

実際に、私も産後ケア施設を2箇所利用しましたが、それを調べる段階などでも沢山の壁にあたったり、もっと早く知っていたらという苦い経験や、「施設ごとにこれだけ違うのか!これは怖い」という驚きなどもあり、今後産後を迎え、ただでさえ大変な状況に身を置くパパやママにとって、そういった苦労が少しでも軽減されることを目指しています。

みんなの産後ケア代表 森下麻由美